今回もネットショップ運営でおさえておきたい基本用語シリーズをお届けいたします。今日はさ行の基本用語となります。すでにご存知の用語もあると思いますが、スキマ時間にさらっとご確認いただければ幸いです。必ずしも専門用語を覚えることが重要ではないですが、施策をスムーズに進めるためにも基本的なものは覚えておきましょう。もちろん、
ECコンサルサービスはこのあたりの知識がなくても、わかりやすく説明をさせていただいております。
CPAとCPO(シーピーエとシーピーオー)
- CPA(Cost Per Acquisition): 広告費÷獲得顧客数
- CPO(Cost Per Order): 広告費÷購入人数
CPAは「顧客獲得単価」とも呼ばれるwebマーケティングの指標の1つです。新たに1人のお客さまを連れてくるのに、どれくらいの費用がかかったのか?という客観的視点で、広告コストを計算したり、見直したりすることができます。CPO(Cost Per Order)と似ている概念ですが、CPOは新規客も既存客も区別せずに算出するのに対して、CPAは完全に新規の顧客に絞って数値計算を行います。よって、なにか新しい広告を打つ際の効果測定などにはCPAがその評価の指標としては適していることになります。今回はCPAの運用方法について、具体的に考えていきましょう。たとえば、自分の運営するネット・ショップのアクセス数を増やすために、広告代行サービスを利用すると仮定しましょう。料金は10万円です。そしてその広告効果により、目論見通り1日あたり200アクセスの増加を達成しました。しかもその効果が10日間に渡って続くとします。すると、多くの方はこう思うはずです。「やった!アクセス増えた!なんか注文も増えた気がするし、ほんとうに頼んでよかった」。しかしここで喜んではいけません。その広告効果が、果たして売上にどれだけ貢献しているのかを、客観的に計測してはじめて「よかった」(もしくは「しくじった」)ということができるのです。そしてここでCPAの出番となります。
では実際に計算してみましょう。200アクセスの増加といっても、その全てが「本当の」お客様=顧客になってくれるわけではありません(CVR:顧客転換率を参照)。サイトをクリックしてから、購入にまで踏み切ってくれるユーザーの割合が2%だとします(業界の平均値です)。先述したように、効果は10日間ですから、稼いだアクセス数は
200×10=2000
そのうち実際に購入してもらえる割合が2%なので
2000×0.02=40
つまり、最終的に40人の顧客を集めることができたことになります。かかった費用は10万なので、
100000÷40=2500/人
これが、CPAすなわち顧客獲得コストになります。1人の顧客を集めるのに平均で\2,500かかっているわけですから、もちろんそれ以上の利益をその顧客から得ることができなければ赤字、すなわち広告宣伝の失敗と判断することができるわけです。このようにCPAを利用すれば、心象に流されない客観的判断が可能となるのです。
CTR (シーティーアール)
クリックスルー率。CTRとは、広告がクリックされた回数を、広告が表示された回数で割ったものです。どれくらいのユーザーが広告に反応してくれたかを計測するものです。広告の費用対効果を知る重要な指標の一つとして、webマーケティングで活用されています。この値が高ければ高いほど、ユーザーは広告に対して望ましい反応を示しているので、すなわちそれは「効果の高い」広告であることを意味します。
純広告
純広告とは、特定のメディアに一定の期間、もしくは回数に応じて料金を支払い掲載する広告です。いわゆる従来型の広告のあり方で、リスティング広告などのクリック課金型の広告、アフィリエイト広告などの成果報酬広告など、昨今台頭しつつある新しいタイプの広告と比較するために「純」広告と呼びます。大規模な予算を必要としますが、やはりその効果には大きいものがあります。具体的には大手サイトのトップページに広告を掲載したり、既定の画像サイズに合わせたバナー広告として掲載したりする方法が一般的です。
ステップメール
ステップメールとは、事前に準備された内容の違う複数のメールを、設定されたスケジュールに従って配信するシステムです。メルマガなどの一斉配信サービスと違い、自動的に顧客に対してメールを送信できるので、労力をかけずに顧客との「接触回数」を増やすことができます。見込み客への営業や、商品購入者へのフォローなどが実用例になるでしょう。しかしその性質上、リアルタイムのニュースを取り上げたりはできず、即時性には欠けたサービスでもあります。